2025/06/25 20:54
ネムノキが咲き始めました。

ネムノキは夜になると葉が閉じて垂れ下がる性質があります。
まるで「眠っている」ように見えるため、日本では「眠の木」→「ネムノキ」と呼ばれるようになりました。
この性質は就眠運動と呼ばれ、植物が内部時計(概日リズム)に従って行う行動のひとつです。
つまりネムノキは「体内時計で寝る」植物なんです。
また、ネムノキの花は夜に甘い香りを放ちます。
昼よりも夜に香るのが特徴的で、これは夜行性の昆虫(ガや一部のハチなど)を引き寄せるためと言われています。
そのほかには、だれもがよく知る万葉集にもこのネムノキは登場します。
たとえば、大伴家持の歌にこんな一節があります:
君が宿に 咲ける合歓木(ねぶ)の 花を見る
旅にしあれば 奈良しと思ふ
これは「あなたの家に咲くネムノキの花を見て、旅の身の私には懐かしく感じる」という意味で、
ネムノキに対する愛情や郷愁が表れています。
少しマニアックなお話でした。